MTGアリーナでプラチナになった話

どうもAaronです。

今回は数学ともプログラムとも論理学とも哲学とも関係ない純然たる趣味の話です。

実は僕は今でこそこんな数学オタクやっていますが、学部生のころは数学よりボードゲームに使った時間のほうが何倍も長いという生活をしてました。

知ってる人も多いと思いますが現在体調不良で実家療養中、数学やるモチベもない状態なので、学部生のころの気持ちに戻って暇つぶしにMTGアリーナを導入してここ数日遊んでいたんですが、割とあっさりプラチナランクになれたので(「ダメそうなら課金するかー」とか思ってたら、する前に到達した)、プラチナが遠い、っていう初心者さんのためにも、使ったデッキの紹介と低ランク帯の環境分析を残しときます。

 

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証拠画像

まずとりあえず僕がプラチナ行ったデッキ、ドーン!

 

ナヤパンプアップ

メインデッキ 60

クリーチャー 16
《癒し手の鷹》4
《幸運な野良猫》4
《剣術の名手》4
《生命力の天使》4

スペル 21
《ショック》3
《巨大化》3
《希望の光》1
《争闘+壮大》4
《希望の夜明け》1
《平和な心》4
《解呪》1
《樫変化》4

土地 23
《平地》6
《山》2
《森》5
《花咲く砂地》4
《風に削られた岩山》3
《岩だらけの高原》2
《踏み鳴らされる地》1

 

サイドボード 0

 

 

以上となっています。まずこのデッキの解説からしましょうか。

 

Q1.このデッキはどんなゲームプランを取るの?

A1.最高に理想論を語れば

1ターン目 タップイン処理 

2ターン目 《剣術の名手》着地

3ターン目 《名手》に《樫変化》をエンチャント。殴って8点。

4ターン目 《名手》に《巨大化》、《争闘+壮大》を唱えて殴る。トランプル付き22点でワンショットキルが成立。

という4ターンキルプランを軸にしたデッキ。もちろん現実的にはここまでうまく回らないことが大半だが、フライヤーや絆魂生物にこれらのパンプアップ呪文を打ってダメージレースを大幅にひっくり返すこともできる。

 

Q2.なんでこのデッキを選んだの?

A2.低ランク帯は白単orオルゾフ(白黒)カラーのライフゲインアグロに溢れていて、のんびりなゲームプランを取るとリソース差で圧殺されたり、巨大なスタッツになった《アジャニの群れ仲間》や《血に飢えた曲芸師》が処理できなくなって負けたりするのでそれより早いゲームプランを持ったデッキを探していてこれになった。またあまりそういうのは良くないのかもしれないが、低ランク帯では「二段攻撃」のルールを理解していない人が多く、それにフォーカスするだけで大量のプレミ勝ちが拾えた。

 

Q3.マッチ相性は?

A3.大まかに言って「アグロデッキに有利で、白系および黒系コントロールデッキに不利」と思えばよい。

クリーチャーを絞り、単体強化を連打するデッキである以上、白や黒の確定除去を当てられて勝てる道理はない。

一方でライフゲインアグロを含む大半のアグロデッキよりは、(回れば)こっちのほうがキルが速く、またアグロデッキはスタッツがでかくなったこちらのクリーチャーを処理するのに困ってくれることが多いため、有利がつく。

また除去を火力やマイナス修正に依存するコントロールデッキにも、パンプアップ戦略で五分程度を取ることができる。

ただしこれは低ランク帯での話であり、「赤単《エンバレスの宝剣》アグロ」などはほぼほぼこちらの上位互換だし、「変容」のように除去手段豊富なアグロに対してはガン不利。これらのデッキは低ランクでの生息数はたかが知れているため割り切り。逆に言うと高ランクでこのデッキで勝つのはほぼ不可能だと思うし、僕もプレチナランク以降では使う気ない。

ただブン回った時のキルターンが速いためどんなデッキにもワンチャン持ってるのが強み。特にゴールド以下は勝率40パーセントでも長期的にはポイントが増えるため、「ワンチャン」が重要。

 

Q4.《アジャニの群れ仲間》は入らないの?

A4.《群れ仲間》は確かにゲインランドをマナベースとし、絆魂生物8枚体制を取るこのデッキとは相性がよく見える。しかしこのデッキにおいてライフゲインプランはあくまでサブプランであり、本質的には「パンプアップ呪文およびP/T修正と相性のいいクリーチャーを詰め込んだデッキ」と説明することができる。その点回避能力も絆魂も先制攻撃も持たない群れ仲間はこのデッキのカード採用基準に適わない。強いて言えばP/Tが大きくなるためトランプルがつく《争闘+壮大》とは相性がいいが、その何十倍も相性がいい《名手》が同じマナ域でメインプランなのだからわざわざ入れる理由がない。

 

Q5.その割に《生命力の天使》は4積みなんだ?

A5.やはり飛行があるのが大きい。これがあるだけでパンプ呪文の撃ち先としての適性が跳ね上がってる。それに《群れ仲間》と違って「ライフゲインした回数」ではなく「現在値」を参照するのが、絆魂をパンプアップして使うことが多いこのデッキとは相性いい。

 

Q6.《希望の夜明け》の2枚目はなし?

A6.全然あり。単純に生成したくなかっただけ。

 

Q7.《怒り狂うレッドキャップ》や《速太刀の擁護者》はなし?

A7.むしろ入れたい。単純にパックから出なかった。ただこの辺入れるならもうちょっとマナベース考えないとね。

 

Q8.《成長の季節》や《節くれ背のサイ》はなし?

A8.両方なし。《成長の季節》はテンポロスがひどいし、《節くれ背のサイ》は最初入れてたけど4マナ到達も緑ダブル捻出もきついので事故要因にしかならなかった。

 

Q9.《希望の光》《解呪》はなんのため?

A9.テーロスの神や亜神、《石とぐろの海蛇》、《希望の夜明け》、《幸運のクローバー》、《戦慄衆の侵略》、《魔女のかまど》などいくらでもやばいカードが思いついたうえ、低ランク帯で最も見かける除去が《平和な心》であるため1枚ずつ採用。

軽くてほかの使い方もできる《希望の光》だけでいいかとも思ったが、スタンダードのトップメタの「猫かまど」や「アドベンチャー」はエンチャントではなくアーティファクトがキーカードであるため《解呪》と1枚ずつにした。

但し結果的には低ランク帯にそれらのデッキはあまりいないし、居たら居たで小手先の対策でどうこうなるものでもなかったため、腐らない《希望の心》だけでよかったとは思う。

 

Q10.このQ&Aいつまで続けるの?

A10.そろそろ終わろう。

 

というわけでナヤパンプアップでプラチナまで駆け上がったわけだが、ざっと環境分析をしてみた。

 

まず圧倒的に印象に残っているのがすでに何度か触れた白系のライフゲインアグロだ。

カラーチャレンジの構築済みデッキのうち白だけ露骨に完成度が高いため、それを少し改造したりそのまま潜っている人がブロンズでは圧倒的に多かった。

少しずつランクが上がってくると、昔でいう「ステロイド」のような赤緑の中から大型のクリーチャーを扱うデッキや、オルゾフやマルドゥ(白黒赤)カラーのPIG能力にフォーカスしたミッドレンジデッキにも当たるようになった(後者は「猫かまど」が事故ってたのかもしれない。)。

多くのプレイヤーがカード資産が足りず、必然的に低速な環境では「ステロイド」の《炎の大口、ドラクセス》の制圧力が厳しく、僕自身「マッチして相手が回ったら諦める」という方法をとった。

シルバー後半かゴールドあたりから「変容」もかなり増えた。前述の通り不利なのであまり当たりたくなかった。

逆にトップメタでも「アドベンチャー」や「赤単」には、プラチナに到達するまでほぼ当たらなかった。

 

 

おまけ

他に使った、もしくは考慮したデッキ集

 

1.「ディミーア(青黒)フライヤー」

最初に使ったデッキ。クリーチャーを飛行で固めてドレイン呪文で《血に飢えた曲芸師》を強化するクロックパーミッションデッキ。フリー対戦に持って行ったが、フリー対戦にはライフゲインアグロがあふれており、確定除去が《殺害》(しかも初期カードプールには二枚のみ)しかないこのデッキでは巨大化した相手の《群れ仲間》や《曲芸師》がどうしようもなかったため諦め。

 

2.「エスパー(白黒青)フライヤー」

1から追加の除去として《平和な心》を求めて白をタッチした形。

だいぶましになったが一戦に時間がかかりすぎて疲れるうえに、線が細すぎたため微妙…。

友人に「多少重いカードいれないと常にマナフラッドするよ」とアドバイスされて(僕はふだんはエターナル環境の記事読んでるため、マナ域の感覚がスタンダードとズレてしまっている)《暴風のドレイク》を入れたり、「せっかく白タッチしたなら《癒し手の鷹》どう?」とアドバイスされて入れたらかなり強かったり、ある程度リストを練ったけど、とにかく疲れるのでブロンズ抜けたところでお役御免。正直「青以外使いたくない」みたいな人じゃなきゃ使わなくていいと思う。

「『とにかくライフゲインアグロだらけ』っていう環境にあってなかった」説はあるので今度引っ張り出して使うかも?

 

3.「セレズニア(緑白)オーラ」

紹介した「ナヤパンプアップ」の原型。ほとんど構造は同じだけど《争闘+壮大》を取ってないせいでブロッカーがいるだけで勝てなくてストレスがたまったので「ナヤパンプアップ」に移行。

 

4.「オルゾフ《夢の巣のルールス》アグロ」

《ルールス》を相棒に据えたウィニーデッキ。あまりにも《ルールス》のパワーが高すぎて、使い始めた途端に自分のプレイが雑になってモチベーションが溶け始めた、というしょうもない理由で封印。あと《ルールス》の本領はパワーマイナス修正オーラが揃ってからだと思ってるのでそれまで楽しみに取っておこうかなと。

 

5.「ジャンド(黒赤緑)パンプアップ」

ここから実際には使ってないデッキ。

「ナヤパンプアップ」回してて確定除去1枚で負けるのに腹が立ち、「『ナヤパンプアップ』の構造は変えずに、《名手》を《怒り狂うレッドキャップ》に変えて白を落とし、黒をタッチして《強迫》を入れる。」というアイデアが浮かんだ。

結構いいアイデアだとは思ったのだが《レッドキャップ》を生成するのがもったいなくてやめた。

 

6.「ティムール(青赤緑)パンプアップ」

《強迫》を《否認》に読み替えて4とほとんど同じ。

青には優良な回避能力持ちがいて、第二希望以降のパンプ呪文の撃ち先に困らないためこっちのほうが本命感あったかもしれない。

 

7.「白単orオルゾフライフゲイン」

正直これが一番丸いと思う。構築済みデッキを少し改造するだけでいいから生成しなきゃいけないカードも少ないし。

僕は単純なアグロデッキが正直嫌いだし(「じゃあ『ナヤパンプアップ』はどうなんだよ?」と言われるかもしれないが、僕の中ではこれは古えの「ヘイトレッド」や少し前モダンを騒がせた「SCZ(スーパークレイジーズー)」と同じようなコンボデッキという判定だ)、同じデッキのミラーマッチも正直嫌いなので使わなかったが、そういうこだわりがないなら使えばいいと思う。

 

ではまた今度。